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「地域まるっと中間管理方式」のすすめ(第7回)2017年9月13日

「地域まるっと中間管理方式」のすすめ

第7回:みんなの想いを叶えるシステム

中山間地域を想定して提案したところ、都市近郊地域や果樹産地、さらには、西三河の水田地域からも大きな期待が寄せられています。何故でしょうか。私は、「地域まるっと中間管理方式」が、みんなの想いを叶えるシステムであるからだと考えています。

◎みんなの想いを叶えるシステム
「条件が悪い農地なんか受けられるか」という話をよく聞きます。確かにそうかもしれません。しかし、そのような農地を管理もできないとなれば、その農地が守るべき農地の場合、営農環境の悪化に繋がり、担い手にも悪影響を及ぼします。耕作放棄地の増加は鳥獣害の拡大をも招きます。ひいては、生活環境の悪化に繋がります。

地域には、担い手、出し手、自分でできるうちは耕作を続けたいと考えている自作希望の農家、借り手もなく管理ができなくなった農地を持つ農家など様々な農家が存在し、様々な想いがあります。その想いに耳を傾け、想いを叶えるシステムとして提案したのが「地域まるっと中間管理方式」です。自作を希望する農家の想いを叶え、管理ができなくなった農家の農地も集落のみんなで管理し、担い手の経営基盤の強化と営農環境の向上を図ろうというものです。

農地中間管理事業では、この取組に高水準の地域集積協力金を交付することが可能です。農地中間管理事業があるから、「地域まるっと中間管理方式」が一層魅力ある取組になるのです。農地の利用権が一般社団法人にあることがポイントであり、ここが重要なのです。言い換えれば、農地中間管理事業がなければ、「守るべき農地を集落全員で守る」ことは難しいのではないかと考えます。

◎活用のポイントは3つ
一つ目は、地域に危機感があることです。二つ目は、地域にリーダーがいることです。そして、三つ目は、税務申告、機構への賃料支払い、特定農作業受委託手続き等がありますので、JAが賛助会員として加入し事務局を担当することです。これらの条件が揃っていることが活用のポイントになります。危機感がなくては始まりません。リーダーがいなくても進みません。そして、一般社団法人の事務局を担う人が必要です。JAが法人の賛助会員となって、事務局を担当してほしいと考えています。

◎リーダー不在では進まない
リーダーがいないと、取組は進みません。リーダーの候補は、①町内会長、自治会長、区長など地域代表、②土地改良区総代、営農組合長など農家代表、③JA・県・市町村職員OBなどです。産地関係者で話し合って、最適なリーダーを選んでください。しかし、リーダー1人だけで進めることはとても大変です。補佐役が必要です。毛利元就の「三本の矢」にあるように、志を同じくする人を3人集めてください。

◎都市近郊地域からも熱い視線!
中山間地域のみならず、都市近郊地域からも熱い視線が注がれています。県内のある都市近郊地域では、個別経営を統合して法人の設立を進めています。地域の中には、法人設立を機に、個別経営をやめて法人に参加したいと考える担い手もいれば、当面は個別経営で続けていきたいと考える担い手もいました。その地域から相談を受け、「地域まるっと中間管理方式」を提案したところ、法人と個別経営が共存でき、遊休農地の発生も防ぎ、地域の営農環境を保全できるシステムに期待が集まったのです。

◎果樹産地からもラブコール!
また、果樹産地からもラブコールがあります。県内のある果樹産地では、県の「農業生産力パワーアッププロジェクト」を活用し、将来の産地のあり方を真剣に検討しました。今後、担い手の確保育成と樹園地の集約化を進めるに当たり、「地域まるっと中間管理方式」を提案したところ、出し手からも「それなら貸し出してもいい」との意見があります。産地では、「地域まるっと中間管理方式」の実践一番乗りを目指し、法人設立の取組を進めています。

さらには、西三河の水田地域からも、機構関連事業の実施を見据えて大きな期待が寄せられています。次回は、機構関連事業を紹介します。(次回に続く)

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『「地域まるっと中間管理方式」のすすめ(第7回)』へのコメント

  1. 名前:小田智弘 : 投稿日:2017/09/16(土) 01:22:59 ID:I3OTI4OTk

    「地域まるっと中間管理方式」は名案です。
    「生産構造分析」もわかりやすくて明確です。5年と、10年という区分けもベストです。

    日ごろこういった提案は、も少し漠然とした形でJAや市にお願いしているのですが、「地元の合意が必要だし」「まず地元でまとめて」みたいな話にになりがちで、具体策の提案が無かったので、この案を地域別の展開して市やJAは、地域に提案するべきだと思います。

    できれば、農業新聞だけでなく、一般紙やテレビ等でこういった活動が随時報道され、考え方が一般化されるとありがたいと思いますので、マスコミへの情報提供をニュース価値のアピールをお願いいたします。

    生産構造分析の最後に、生産減少を埋めるのは、最終的には法人生産の拡大とありましたが同感です。

    ただし、多くの正社員を雇用する法人というのは経営リスクが高くなり、どうしても労働分配率が低下します。それが社員が定着できない理由ですから、法人が農地整備、設備投資や技術集約をしてそれを家族経営に貸し出すテナント型経営が必要がと考えています。できれば施設園芸など投資額が増大している分野から検討していきたいと思っています。

    まず、一般社団法人でm農地や中古ハウスの賃貸組織を作り、新規ハウスも法人が建設して貸し出すような仕組みにすれば、新規就農者も即営農可能になります。

    借り入れを起こす場合は、株式会社化が必要かもしれませんが、そういう方向で検討中です。

    また、現場に合ったいろいろな提案をお願いいたします。

    • 名前:可知理事長 : 投稿日:2017/09/19(火) 10:00:20 ID:AxNjM2OTE

      「地域まるっと中間管理方式」、「生産構造分析」手法にご理解をいただき、ありがとうございます。
      一般紙やテレビ等のメディアへの働きかけについては、とてもいいアドバイスをいただきました。根幹は、非農家を含めた「魅力ある地域づくり」ですので、今後、しっかりと考えていかねばならないと認識しました。
      貴重なご意見をありがとうございました。

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