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「地域まるっと中間管理方式」のすすめ(第18回)2018年2月26日

「地域まるっと中間管理方式」のすすめ

第18回: 地域の創意工夫で耕作放棄地解消を!

今回は、全国で話題になっている「地域の創意工夫による耕作放棄地解消の取組」を紹介します。

◎拡大するオリーブ栽培
近年、オリーブ栽培の人気が高まり、本家の小豆島だけでなく、九州から東北まで広がっています。健康志向でオリーブオイルの需要が増え、栽培に比較的手間もかからず、耕作放棄地解消の有望作物として注目されるようになったのです。

オリーブオイルの輸入量が増え、家庭でも手軽に使われるようになったことから、耕作放棄地に悩む多くの自治体が熱い視線を注いでいます。全国の栽培面積は300haを超え、さらに拡大が加速化しています。九州では、「九州オリーブ普及協会」が立ち上がり、静岡県でも、「県オリーブ普及協会」が発足し、茶園と樹園地の耕作放棄地に苗木の植栽を進めていると聞きます。オリーブは、乾燥を好むため、湿害が懸念されますが、排水対策をすれば問題ないそうです。

国産人気が高く、確かな追い風がありますが、魅力ある地域づくりをどう進めていくのか、どのような商品開発を行うのか、そして、いかに付加価値販売していくのかなどが重要なポイントになります。集落を越えた市町村レベルの取組、イニシアティブが求められているとも言えるでしょう。

◎ワイン用ぶどうに高まる注目
耕作放棄地解消の手段の一つとして、ワイン用ぶどう栽培に注目が高まっています。優良なワイン用ぶどうの産地として評価されている長野県高山村では、栽培面積35haのほとんどが耕作放棄地でした。

ワイン用ぶどうは、垣根栽培なので生食用と比べて手間がかからず2~3倍の面積の栽培が可能となりますが、販売価格は生食用の数分の1程度です。このため、農地集積・集約化により生産コストの低減を図ることはもちろんのこと、ワイン製造までの一貫経営による収益性向上がポイントになっています。なお、近年、本州では、地球温暖化によるワインの品質低下を懸念し、より冷涼な気候を求めてぶどう畑が高地へ移動しています。

◎増える加工専用果樹栽培
実需者との契約栽培で、ジュースや缶詰など加工専用果樹栽培に乗り出す産地が増えています。加工向け果実需要は年間約300万tあり、その9割近くを輸入品が占めています。しかし、品質や安全性から加工原料でも国産ニーズが高まり、実需者からは、「原価は上がっても、高付加価値の加工品を作りたい」という声が高まっているのです。また、健康・簡便化志向の女性や若者から、「産地が分かるので、安心して食べられる」と、国産のドライフルーツ人気が高まっています。

生産者の高齢化や農業労働力不足を勘案すれば、省力栽培や選果の簡素化が見込める加工専用果樹栽培は、産地の選択肢の一つになり得ると考えます。取組を進めている産地からは、「手間をかけずに収入が得られるのが加工用栽培の強み」、「手間の少ない加工用であれば、営農を続けられる高齢農家も多いのではないか」などの声が聞かれます。

◎ユニークな「ヤギのレンタル」
長野県伊那市に、「ヤギのレンタル」をしているところがあります。農家が草刈りなどに利用しており、料金は3,000円/頭(最大3か月)で、延長料金は1,000円/月です。なお、自治体や企業が利用する場合は、その5倍の料金体系となっています。とてもユニークな取組であり、他の遊休農地発生防止と耕作放棄地解消対策と組み合わせて取り組めば、魅力ある地域づくりになるし、Uターン・Iターンも呼び込めると思うのです。(次回に続く)

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